BizX, Inc.

海外SEO対策の始め方|必ず知っておくべき基礎知識

海外マーケティングに役立つ無料資料 /

海外ブランディング

海外コンテンツ制作

海外SEO対策

海外集客にお困りはありませんか?

BizX株式会社では、海外マーケティングを身近に実践いただくために、制作費『無料』の多言語WEB制作プランを提供しております。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

BizX株式会社/代表取締役
菅宮 道晴

日本の上場IT企業にて海外展開、事業開発・推進に従事した後、東南アジアを中心としたBtoB企業向けにデジタルマーケティング支援企業を創業。多言語対応のWEB制作やSEO・広告戦略を強みとし、製造業・卸売業・サービス業など多様な業種に対して、現地市場に即したマーケティング戦略を提供している。自身も活動のベースをベトナムやタイを中心とし、ASEAN市場への進出を図る日系企業の成長を支援している。

「海外のお客さんを呼び込みたい!」「よし英語サイトを作ろう!」と言った見切り発車で、いきなり始めると “翻訳ミスでユーザーがすぐ離脱” とか、“検索エンジンに国を間違えて伝えてしまう” といった落とし穴にはまることも…。

実は海外SEOは、最初の設計を間違えるとその後の努力がムダになってしまいます。

本記事では、まずは海外SEOを考えたら、理解を深めていただきたい基礎的なポイントに絞って解説しております。5分で読んでいただき、「うちのサイトは海外向けに本当に準備できてるの?」をチェックできる指標や、すぐ試せる改善ポイントが分かります。

あなたのサイトは海外SEO対応できてる?5分で分かる診断

海外SEOは「いま自社がどの段階にあるか」を把握することから始まります。以下のチェックシートでは、海外SEOに必要な5つの要素を20点ずつで評価し、合計100点満点で判定できるフレームワークです。

GLRI(Global Localization Readiness Index)簡易チェックシート

評価項目 配点 自社スコア 判定メモ
ccTLD / サブディレクトリ設計 20
hreflang & GSC ジオターゲティング 20
現地サーバー or CDN レイテンシ 20
ネイティブ翻訳+校正 20
モバイル速度(LCP ≤2.5s) 20

 1. ccTLD / サブディレクトリ設計

海外向けサイトは「.com」だけでは不十分な場合があります。たとえばフランスなら「example.fr」とするか、「example.com/fr/」とするかで、検索エンジンの評価やユーザーの信頼感が変わります。判断ポイントは「1か国ごとにブランドを独立させたいか」「ドメインの力を集中させたいか」です。

2. hreflang & GSC ジオターゲティング

hreflang(リフラング)は「このページは英語版/フランス語版ですよ」と検索エンジンに伝えるためのタグです。設定を間違えると、アメリカでフランス語ページが出てしまうことも。また、Google Search Console(GSC)で国ごとのターゲット設定をしておくと精度が高まります。

3. 現地サーバー or CDN レイテンシ

ページが遅いとユーザーはすぐ離脱します。特に海外ユーザーにとって「日本のサーバーだけ」だと読み込みが遅くなりがちです。CDN(コンテンツ配信ネットワーク) を使えば、世界中の拠点から高速配信でき、SEOにも有利です。

4. ネイティブ翻訳+校正

「とりあえず自動翻訳」では、伝わるはずのメッセージが誤解されてしまいます。トップページや商品ページは必ずネイティブによる翻訳・校正を入れることが推奨されます。一方でFAQや記事など更新頻度が高い部分はAI翻訳+人による軽い修正でも十分です。

5. モバイル速度(LCP ≤2.5s)

Googleはサイトの表示速度をランキング要因にしています。特に LCP(Largest Contentful Paint) =「画面の大きな要素が表示されるまでの時間」が重要。2.5秒以内を目安に改善すれば、SEOとユーザー体験の両方にプラスです。

採点後の判定基準

  • 80点以上:すぐに海外SEOを本格的に進められる状態
  • 60〜79点:改善を行いながら進めるのが理想
  • 59点以下:基盤整備が必要。まずは技術や翻訳を見直すことから

海外SEO対象国の検索エンジン事情を調べる 3 ステップ

診断後に取り組むべきは、ターゲット国の検索エンジン事情を理解することです。

  1. 検索エンジンシェアを把握する
    → Statcounterで各国のGoogle依存度や、Bing・Baiduといった代替エンジン比率を調べる。

  2. キーワード難易度とSERP特徴を確認
    → AhrefsやSEMrushで主要KWの難易度を調査。動画・ローカルパックが多い場合は対策必須。

  3. 競合サイトの技術を調査
    → BuiltWithで競合サイトのCMS・CDN・翻訳プラグインを確認。

海外SEOの土台づくり|ドメイン・サーバー・hreflangの基本設定

海外SEOの最初の一歩は、「検索エンジンに対して自社サイトの“場所と言語”を正しく伝えること」です。この設定を誤ると、せっかくの翻訳コンテンツや広告施策がユーザーに届かず、集客のスタートラインに立てません。

ここでは、ドメインの選び方・サーバーの配置・hreflangの実装という3つの基盤づくりを解説します。

1. ドメイン構造の選び方

海外展開では「ccTLD」「サブドメイン」「サブディレクトリ」の3パターンから選択します。それぞれメリット・デメリットがあるため、事業戦略と運用体制にあわせて決めることが重要です。

方式 メリット デメリット
ccTLD example.fr 国別ローカル信頼性が高い/法規制対応が容易 取得・運用コスト増/ドメイン評価が分散
サブドメイン fr.example.com 既存ドメイン権威を活かしつつ分離管理 サーバー移転時の DNS 工数大/ユーザーに国別感が伝わりにくい
サブディレクトリ example.com/fr/ 最低コスト・ドメイン評価が集中 GSC で国別ターゲット指定不可/複数言語増で構造が複雑

判断ルール

  • “1 か国 = 1 ブランディング”が必須なら ccTLD
  • 複数国展開でもドメインパワーを集中したいなら サブディレクトリ
  • マーケ/開発チームを国別に分ける場合は サブドメイン が運用しやすい

2. サーバーとCDNの最適化

どんなに良いコンテンツを作っても、表示速度が遅ければユーザーは離脱します。海外ユーザー向けには、以下の流れでサーバー環境を整えるのが鉄則です。

  1. 現状レイテンシ測定 — WebPageTest で主要国の TTFB(Time to First Byte)を計測し、200 ms を超えるページを洗い出す。
  2. CDN 追加 — Cloudflare/Fastly などエッジキャッシュを設定し、初期コスト 0〜20 USD/月で平均 TTFB を 50 % 以上短縮。
  3. 現地リージョン配置 — 主要国ユーザー割合が 20 % を超える場合、AWS/GCP の該当 Region にオリジンサーバーを増設。併せて RUM 計測で LCP を ≤2.5 s に保つ。

3. hreflangタグで言語・地域を正しく伝える

最後に、Googleなどの検索エンジンへ「このページはどの国・どの言語向けか」を明示する設定が必要です。これを怠ると、日本語ページが海外で表示されたり、現地語ページが検索に出てこないといった問題が発生します。

  • HTML head または XML サイトマップ で、対象 URL 同士を必ず“相互参照”し x‑default を追加。
    <link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en/" />
    <link rel="alternate" hreflang="fr-fr" href="https://example.com/fr/" />
    <link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/" />
    
  • GSC > 設定 > 国際ターゲティング で hreflang エラーを確認し、3 日以内に修正を反映。
  • hreflang と canonical が競合しないよう、同一言語同一国ページのみ相互 canonical を使用。

以上の3つを整えるだけで、海外SEOの基盤スコアの大部分をカバーできます。次のステップは、翻訳品質と検索意図を一致させるコンテンツ戦略です。

コンテンツ戦略(翻訳品質・E‑E‑A‑T・トレンドリサーチ)

海外ユーザーにとって最も重要なのは「自国語で信頼できる情報を得られること」です。どれだけ技術基盤を整えても、翻訳が不自然だったり、検索意図から外れていたりすれば成果は出ません。この章では、翻訳品質を担保しつつ、現地ユーザーに響くコンテンツを作る方法を解説します。

プロ翻訳 vs AI 翻訳の使い分け

すべてをプロ翻訳に任せるとコストが膨らみ、すべてを機械翻訳にすると品質が下がります。そこで重要なのは「翻訳対象ごとに最適な手法を選ぶ」ことです。

  • トップページや商品ページなど、ブランドに直結する部分は プロ翻訳+ネイティブ校正 が必須。誤訳があるとコンバージョン率に直結します。
  • FAQやナレッジ記事のように更新頻度が高い部分は AI翻訳(DeepLなど)+人による軽い校正 で十分対応可能。
  • CTAボタンや広告コピーのように短いテキストは A/Bテスト を回しながら文化的ニュアンスを調整するのが効果的です。
コンテンツ種別 推奨翻訳 主な理由 品質指標
トップページ・商品LP プロ翻訳+ネイティブ校正 ブランドメッセージの誤解が CVR に直結 語彙一致率 ≥95%
ナレッジ記事・FAQ AI 翻訳(DeepL)→ Grammarly 校正 更新頻度が高くコスト効率が重要 BERTScore ≥0.85(AI 翻訳品質指標)
マイクロコピー(CTA など) A/B テスト併用 文化差がクリック率に影響 CTR が原文比 +10%

検索意図×キーワードマッピング

海外SEOでは「単に翻訳したキーワード」ではなく、現地ユーザーの検索意図に沿ったワードを選ぶ必要があります。

  • キーワードは Informational(調べたい)/Commercial(比較したい)/Navigational(探している)/Transactional(購入したい) の4種類に分類し、記事やページを対応させます。
  • SERP(検索結果)の特徴も調査し、スニペットや動画、ローカルパックが出てくるキーワードには、それに対応するフォーマットでコンテンツを準備しましょう。
  • 執筆者プロフィールや一次情報の引用 を必ず記載し、GoogleのE-E-A-T評価を意識することが欠かせません。

現地トレンドをキャッチできるおすすめツール

海外ではトレンドの移り変わりが早いため、旬の話題を逃さず記事化することも重要です。

ツール 無料枠 活用ポイント
Google Trends 過去 5 年の上昇トピックを国・期間で比較し、季節変動を把握
Exploding Topics ▲(7 日間) B2B SaaS の新興ワードを早期検知し記事化
X(旧Twitter)Trends API リアルタイムでハッシュタグを監視し、2–3 時間以内に速報記事を公開
BuzzSumo ▲(10 検索/日) 「バックリンク数 > 100」のバイラル記事構造をモデリング

これらを週1回のチェック体制で回すだけでも、翻訳ミスによる離脱を減らし、トレンド記事で新規流入を増やせるケースが多く報告されています。

外部施策とローカルPR(被リンク・SNS・PR)

海外SEOで最終的に差がつくのは「権威性(Authority)」です。検索エンジンは依然として被リンクを強いシグナルとして評価しており、加えて近年は ローカル発リンク・SNSでの言及・現地メディアでの露出 が組み合わさることで大きな効果を発揮します。ここでは、国ごとに有効な被リンク戦略や、SNS・PR施策の取り組み方を解説します。

1. ドメインオーソリティ獲得の基本

被リンクは「数」よりも「質」が重要です。以下のポイントを意識しましょう。

  • 関連性の高いサイトからのリンク
    自社の業界やテーマに関連するサイトからのリンクはSEO効果が高い。
  • 信頼性の高いドメインからのリンク
    学術機関・業界団体・大手メディアなど、権威性のあるドメインは評価を大きく押し上げます。
  • 自然に獲得したリンク
    相互リンクや不自然なリンク売買は逆効果。役立つ記事や調査データを公開し、自然にリンクされる仕組みを作ることが重要です。
  • 継続的な増加
    短期間で大量のリンクを得るのではなく、毎月少しずつ参照ドメイン数を増やしていくのが理想。

2. SNS・コミュニティでの拡散

被リンクを獲得するには、まずコンテンツを人に見てもらう必要があります。SNSやオンラインコミュニティは初期のトラフィック獲得に最適です。

  • B2BはLinkedIn、B2CはInstagramやTikTok、開発者向けはRedditやGitHubなど、自社ターゲットが集まる場を選びましょう。
  • 新しい記事は公開直後の24時間が勝負。SNS投稿やメール配信で一気にアクセスを集めることで、シェアやリンクが発生しやすくなります。
  • 定期的にAMA(Ask Me Anything)やウェビナーを開催すると、コミュニティ内での発言やブログ記事に引用されやすくなります。

現地メディアPRの活用

現地メディアや業界メディアへの露出は、権威性を一気に高める手段です。

  • プレスリリースを現地語で配信し、業界紙やニュースサイトに掲載されると、被リンクと同時に信頼性も獲得できます。
  • 記事を出したらSNSや広告で拡散し、流入を増やすことで二次的なリンク(引用や言及)が発生しやすくなります。
  • 単発ではなく「発表 → 拡散 → 記事化 → 再拡散」のサイクルを作ると、持続的にリンクと認知を積み上げられます。

海外SEOの開始初期でよくある質問

Q1. 海外SEOは国内SEOと何が違うのですか?

A. 基本的な仕組みは同じですが、海外SEOでは「言語」「国ごとの検索エンジン事情」「現地ユーザーの文化・習慣」などを考慮する必要があります。特に hreflang設定や翻訳品質、現地メディアでの露出は国内SEOにはない重要要素です。

Q2. まず最初に取り組むべきことは何ですか?

A. まずは「URL構造の設計」「サーバー・CDNの最適化」「hreflangの実装」を完了するのがおすすめです。これが整っていないと、翻訳やコンテンツ施策をしても効果が出ません。

Q3. 翻訳は自動翻訳だけでも大丈夫ですか?

A. 自動翻訳だけでは不自然な表現になりやすく、信頼性を損ないます。トップページや商品ページなど重要な部分はプロ翻訳とネイティブ校正を必須にし、FAQやブログ記事はAI翻訳+人による軽い修正でコストを抑えると良いです。

Q4. 被リンクはどうやって増やせばいいですか?

A. 不自然なリンク購入ではなく、「役立つ記事や調査データを発信する」「業界メディアに寄稿する」「SNSやコミュニティで認知を広げる」など、自然にリンクが集まる仕組みを作ることが大切です。

Q5. 海外SEOの成果はどれくらいで出ますか?

A. 技術基盤を整えたうえで、翻訳とコンテンツ戦略を並行して進めれば、早ければ3〜6か月で検索流入の変化が見え始めます。ただし国や業界の競争状況によって差があるため、最低でも半年〜1年は腰を据えて取り組むことが必要です。

引用した統計データ等はこちら

指標 最新値・単位 URL
Google 世界検索シェア 89.54%(2025-06) https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share
モバイル Web トラフィック比率 64.35%(2025-06) https://gs.statcounter.com/platform-market-share
世界インターネット利用者 56.4 億人/68.7% 普及率(2025-04) https://datareportal.com/reports/digital-2025-global-overview-report
AWS グローバルリージョン数 37 Region / 117 AZ(2025-07) https://aws.amazon.com/about-aws/global-infrastructure/regions_az/
英語以外のサイト言語比率 50.9%(2025-03) https://w3techs.com/technologies/overview/content_language/all
海外マーケティングにお困りはありませんか?

BizX株式会社は、300社を超える企業の課題解決を支援してきたコンサルタントが、海外展開における事業課題や目標に合わせて最適な施策をご提案します。

多言語WEB制作から海外SEOや広告、SNSといった一分野にとどまらず、海外進出に必要なマーケティング全体を理解したコンサルタントが伴走し、現地での売上最大化を目指します。

「海外展開をしたいけれど、何から始めれば良いかわからない」そんな方も、まずは無料でご相談ください。

Recommend

こんな記事も読まれています!